税理士 紹介 HOME - 交際費について
税法でいう「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費その他の費用のうち、特に法人が、その得意先・仕入先・その他事業に関係のあるところに対して接待・供応・慰安贈答などのために支出する費用をいいます。ただし、次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
◆専ら従業員の慰安のために行われる運動会・演芸会・旅行などのために通常要する費用→これらは福利厚生費として扱われます。
◆飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用
・上記2の費用の金額基準である5,000円の判定は、法人の適用している税抜経理方式、又は税込経理方式により算定した価額により行います。
・社外取引先との飲食費のうち、1人当たり5000円以下のもの。ただし特定の役員、社員のみのために支出されるいわゆる「社内交際費」には、この金額基準は適用されません。なお、これら2つの規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
・飲食等の年月日
・飲食等に参加した得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
・飲食等に参加した者の数
・その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で、名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
・その他参考となるべき事項
・カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他のこれらに類する物品を贈与するために通常要する費用→これらは接待や供応のためというより、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため、交際費等から除かれ、広告宣伝費として扱われます。
・新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用→これらの費用も、不特定多数の者に対する広告宣伝費としての性質を持つため、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費として扱われます。
・会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用→これらは会議費として扱われます。
寄付金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与のことです。一般的に寄付金、拠出金(年金や保険の掛金)、見舞金などと呼ばれるものは寄付金に含まれます。
ただし、これらの名義の支出であっても交際費等、広告宣伝費、福利厚生費などとされるものは寄付金から除かれます。したがって、金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄付金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があります。
ただし、次のような、事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄付金になります。
◆社会事業団体、政治団体に対する拠出金
◆神社の祭礼等の寄贈金
つまり、具体的に交際費になるのは、取引先への香典や各種祝金などの慶弔費、飲食代やゴルフプレー代などの接待費、中元や歳暮の贈答費などです。会社が交際費の勘定を使わずに販売促進費や広告宣伝費などの科目で処理していても、一つひとつの支出の実態に沿ってその区分が判断されるので、税務上の交際費に該当する支出は必ず交際費勘定に計上することが望ましいでしょう。
このように実務では、税務上の交際費とそれ以外との区分が常に問題になります。交際費でないものを交際費に計上すれば余計な税負担をすることになりますし、逆の場合には税務調査で修正申告を余儀なくされるからです。特に次のような支出には注意しましょう。
◆社員への福利厚生のつもりでも、特定の役員・社員だけのために行なう慰労会等の費用は交際費になります。社内規程に基づかない社員への慶弔費等も同様です。
◆会議に際して、通常会議を行なう場所において供与される昼食の程度を超えない飲食代は交際費にする必要はありません。したがってレストランなどでの支払いでも、また若干の酒類を伴ったとしても、1人当り数千円程度であれば交際費にしません。
◆ゴルフコンペなどを主催して参加者から参加費を徴収する場合には、その参加費を交際費と相殺することは認められません。支出総額を交際費、参加賞は雑収入に両建てすることが求められます。
次に、交際費・寄付金がどのように扱われるかを見てみましょう
会社の決算書では経費に算入されているのに、法人税の計算では経費に算入されない(税金の世界では「損金に算入されない」といいます)費用項目のひとつが、交際費なのです。他には、「役員報酬について」に記載されている役員賞与と「寄付金」が代表的です。
交際費が損金に算入されないのは、「飲食によって納める税金が減るのは不適当である」という考え方によります。また接待の相手方は接待で得をするのに、その利益に対して所得税が課税されないから、という考え方もあります。
このような理由から、法人が支出する交際費のうち一定額は損金に算入されません。
次に寄付金ですが、寄付金はもともと何らかの売上や利益を上げるための経費ではありません。無償で贈与するのが寄付金ですから、営業経費でないことは明らかです。したがって寄付金は、本来であれば全額損金不算入のはずですが、会社にも一定のつきあいがあること、国や公益法人への寄付など公的な寄付を奨励する必要があること、等の理由から一定額の損金算入が認められています。
このような損金算入について制約のある科目は、決算書上は一旦営業経費として計上されますが、法人税申告書の別表四において損金不算入額を利益に加算します。すなわち加算額分だけ課税対象金額が増加するのです。
交際費のうち、損金に算入されない金額は、次の算式によって計算します。
◆期末の資本金が1億円以下の法人
損金不算入額 = 支出交際費の額 - 支出交際費額と定額控除額のうちいずれか少ない額 × 90/100
※定額控除額は、400万円 × 当期の月数/12で計算した金額。
◆期末の資本金が1億円を超える法人
損金不算入額 = 支出交際費の全額
すなわち、資本金が1億円以下の一般的な中小法人であれば、1年間の支出交際費が400万円以下なら一律にその10%が、400万円を超えていれば360万円を超える金額が、それぞれ損金不算入額となります。たとえば、年間交際費が300万円なら30万円(300万円 × 10%)、600万円なら240万円(600万円 - 400万円 × 90%)が損金不算入額として利益に加算されることになります。
資本金が1億円を超える法人は、支出額の金額が損金不算入とされます。
寄付金は、次の算式により計算した損金算入限度額を超える部分の金額が、損金不算入額として利益に加算されます。
①資本金基準額 = 期末資本金 × 事業年度の月数/12 × 0.25%
②所得基準額 = 年間所得金額 × 2.5%
③損金算入限度額 = (① + ②) × 1/2
たとえば、資本金が1000万円で年間の所得金額が100万円の会社の場合、損金算入限度額は
2万5000円((1000万円 ×0.25% + 100万円 × 2.5%) × 1/2)
となります。寄付金を100万円支払っても1000万円支払っても、わずか2万5000円しか損金に算入できないのです。
このように、寄付金はほとんど経費にならないと思って間違いありませんが、国や地方公共団体に対する寄付金、財務大臣があらかじめ指定した寄付金などの公益性が高いものについては、上記の枠とは別にその支払額の全額が損金に算入できることになっています。
したがって国等に対する寄付金は、寄付による節税効果が生じるので、その点も考慮に入れたうえで寄付の意思決定をするようにしましょう。
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