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同族会社に対する考え方

同族会社とは、特定の親族グループが大株主になっている会社のことです。上場会社のように株式が公開され、関係のないさまざまな人が株主になっていれば、株主同士でも相互の牽制作用が働き、経営者に対する監視の目も厳しくなります。

一方、利害の一致した株主グループが経営を支配している会社では、株主に都合のよい判断が行なわれる可能性があります。特に零細な会社では、出資して会社を設立した人がそのまま社長などの取締役に就任するケースがほとんどですので、株主と経営者が同一人物となり、経営者に対する監視ができません。

そこで税務では、同族会社に対して所定の規制を設けることにより、公開会社との間の課税の公平性を保つことにしました。 具体的には、以下の規定が同族会社にのみ適用されます。

①留保金課税
各事業年度ごとの利益のうち社内に留保された金額が一定額を超えると、その超える部分に特別税率が適用されます。

②みなし役員
従業員のうち、一定の要件を満たしている人で会社の経営に従事している人は役員とみなされて、その人に支払う賞与が損金に算入されないなどの規制をうけます。

③行為計算の否認
法令に違反していなくても、課税の公平性が保てないと認定される同族会社の行為や計算は否定されることがあります。

同族会社の定義

同族会社とは、株主ならびにこれらと特殊の関係にある個人および法人が有する株式の総数が、その会社の発行済み株式総数の50%以上に相当する会社のことです。 上記の「特殊の関係にある個人および法人」とは以下の通りです。

・その者の配偶者、六親等内の親族、三親等内の姻族
・その者といわゆる内縁関係にある者
・その者の使用人
・その者から受ける金銭その他の資産によって生計を維持している者
・その者およびその者の同族関係者である個人が合計で発行済み株式総数の50%以上を所有しているほかの会社

よって、具体的には次のような会社が同族会社となります。

①個人株主甲が100%出資して作った会社
②個人株主甲とその妻や子の出資額があわせて50%を超える会社
③個人株主甲の出資額が40%、甲が100%出資している乙株式会社の出資額が30%で、2グループあわせると50%を超える会社


留保金課税

公開会社では株主と経営者は違います。このため経営者は、株主の評価を得るためになるべく多くの配当金を支払おうとします。一方、同族会社では、株主イコール経営者ですので、「会社の損金にならない配当金を支払って個人の課税所得を増やしてもしかたがない」という考え方がとられやすく、実際に利益が出ていても配当しない会社が多くあります。 そこで、各事業年度において会社が得た利益のうち、配当等せずに社内に留保した金額が一定の控除額(留保控除額という)を超える場合には、その超える部分の金額(課税留保金額という)に対して次の税率を乗じた金額が、通常の法人税とは別に課税されます。

◆課税留保金額と税率

・年3,000万円以下の部分 10%
・年3,OOO万円を超え1億円以下の部分 15%
・年1億円を超える部分 20%
(注)上記の留保控除額とは、次のうち最も多い金額をいう。

①当期の所得等の金額の40%(中小法人は50%)相当額
②年当り2,000万円
③期末資本金の25%相当額から期末利益秋立金額を控除した金額
④中小法人の自己資本比率が30%未満の場合のその満たない金額

以上から、当期の社内留保額が少なくとも2,000万円以下(②の基準)であれば、留保金課税が適用される心配がないことがわかります。


みなし役員

同族会社の従業員(役員としての登記が行なわれていない者)のうち、同族会社の判定の基礎となる株主の同族関係者で次の要件のすべてを満たし、かつ、経営に従事していると認められる者は、役員とみなされます。

①その者が、その会社が同族会社であることについての判定の基礎となった上位3位以内の株主グループに属していること
②その者の属する株主グループの持株割合が10%を超えていること
③その者およびその者の配偶者(これらの者の持株割合が50%以上の会社を含む)の持株割合が5%を超えていること

したがって、次のような者は、会社の業務執行の重要事項について決定権を有している場合には「みなし役員」となるので、取締役等としての登記がされていなくても、その者に支払う賞与は損金に算入されないなどの制約を受けます。

・持株割合が50%以上である社長の妻
・持株割合が50%以上である社長の子供(本人の持株割合が5%超の場合に限る)

行為計算の否認

同族会社では、意思決定の権限が特定の個人または親族の手に集中するため、恣意的な取引が行なわれやすくなります。そこで、同族会社の行為や計算のうち、非同族会社では通常行ない得ないような取引を否認して、通常の取引ベースで課税する権限が税務署長に与えられています。これが「行為計算の否認」という規定です。 ですが、この規定が適用された事例はそれほどなく、社会通念に照らして不当な取引を行なわければ、自社の計算等がみだりに否認されることはないと考えてよいでしょう。

役員賞与は要注意

非公開会社は、ほとんどが同族会社です。そして同族会社では、みなし役員の規定に特に注意が必要です。というのは、会社に利益が出ると期末に賞与を払って節税するケースがありますが、社長の妻は持株がなくても役員とみなされる場合が多いので、支払った賞与が損金不算入の憂き目にあう事例が多いからです。

 



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