この数字をみつめれば、努力する方向が見えてきます。

「仕事の本質は、お客様から教わってきました」
未曾有の不況の中、レストラン経営でがんばっている人に紹介したい税理士がいる。立野晴朗氏。会計事務所の社長でありながら、3年前、ゼロからレストランの経営を始めた。現在は6店舗のレストランを運営する立野氏の裏には、熱い想いと苦労の連続があった。しかしいくら自分の店があっても、常に根本にあるのは、目の前のクライアントを何とかしてあげたいという税理士としての想いである。まず新しいことを始める時、どんなに立派なビジネスプランを立てても、気がつかないコストが出てくるものである。これより下にはならないだろうという計画が現実になることが多い。「最初に設定した条件が毎日変化していくので、利益が出なくなるというのを身をもって知ってますから、クライアントには、キレイごとなしに本音を話しています。」 「オーナーが現場と一緒に売上を上げることが重要です。不思議ですが、スタッフの元気がないと原価率が上がるのです。」 売上原価と売上高の情報は料理人が持っている、ということをベースに、自らつかんだ経営ノウハウを誰でも応用できる形で伝えている。

東京駅から徒歩5分という好立地にある事務所ビル
同じレシピでも作る人によって微妙に火の入れ方などが違う。品質が一定でないと原価が上がると立野氏は言う。「利益は何から作り出されるかというと、一定の品質とそれを生み出すスピードだと思うのです。」 どんな料理を作っても同じ品質の料理が出てくるのは、一定の店で修行した料理人。そこに創意工夫という要素が入ってくると、盛り付けや食材の使い方などは料理人の感性が出てくる。「最後は料理人のやる気にかかってくるのです。」 では、食材が高品質であればいいかというとそうでもない。「それは、さらにイイものを求めると経営上マイナスになってしまうのです。」 決められた品質ゾーンの中でやると決めたらその範囲内で調理することがベストなのだが、この議論は料理人との間でぶつかるという。「品質ゾーンが変わった場合は、値段を変えて違うメニューとして出せばいいのです。」目の前の親しいお客さんに注文を受けると、ついこの視点を無視して特別なサービスをしてしまうのが人間だ。このちょっとした隙をどう克服していくかがレストラン経営の課題かもしれない。
代表
立野 晴朗
慶應義塾大学理工学部数理科学科(数学専攻)卒。 20歳の時に最年少記録で公認会計士試験に合格。監査法人勤務を経て大学院で経営管理学を研究する。その後、監査法人で経験を積み、独立開業。別法人で都心を中心に6店舗のレストランを経営。実践的なアドバイザリーサービスには定評がある。
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